こんにちは!ふさパパです。
このブログでは、超おすすめ育児本『子育てのノロイをほぐしましょう 発達障害の子どもに学ぶ』について詳しく解説しています。
子育てに縛られてしんどいです。心から楽になる育児本を教えてください。
このような、育児に真剣に向き合っている人の質問にお答えします。
私は、子育てを育児本に頼るのが、どうしても負けな気がして後ろ向きでした。ですが、この育児本を読めば読むほど子育て楽しくなって、こどもと接するのが楽になりました。
育児に欠かせないのが、子どもの実態をつかむことです。
そこでこの記事では、子育てに役立つ育児本の中で一番良質だった本に厳選して、詳しく解説します。子育てで悩む人でもこの本さえ読めば、育児生活に余裕が持てるようになります。
※子育てが楽しくなるかどうかは、情報と知識と経験値です。
以下では、私が3年かけて蓄積したものを全て公開しているので、ぜひ参考にしていただければと思います。
【基本情報】この本の狙いとは?
子育てをゆるくする
赤木和重著『子育てのノロイをほぐしましょう 発達障害の子どもに学ぶ』(2021 日本評論社) 。この本の趣旨は、以下の著者の言葉に集約されています。
子育てのスキルアップのための本ではありません。子育てをええ感じで「ゆるく」するための本です。
このように、この本は、こどもを上手に育てるためのものではなく、子育てをゆるくする、著者の言葉を借りるならば、子育ての「ノロイをほぐす」ための本です。
脱力感と安心感、そして、そのあとになぜか湧いてくる勇気を得るための子育て本です。
そしてノロイをほぐす育児の基本は、安心感と楽しさ、つまり「安楽さ」だと強調しています。
「よい親は○○すべき」とか、「○○という子育てをしたら親失格」といった”ノロイ”が、安楽さの子育てをしばしば邪魔します。
さらに、親のもつ子育ての思い込み(ノロイ)が安楽さを失わせているのだとしています。 以上のように、 この本では、子育てにまつわる様々なノロイをほどいていくことをゴールとしています。
著者 赤木和重氏とは?
本の著者、赤木和重氏は、神戸大学大学院人間発達環境学研究科准教授で1975年生まれ。発達心理学、インクルーシブ教育を専門としています。保育や学校現場で子どもや教師の姿に感動したため、それを理論化する仕事をしているとされています。
趣味は寝ること、モットーは「発達研究に驚愕と共感を」だそうです。
その他の著書に『アメリカの教室に入ってみた―貧困地区の公立学校から超インクルーシブ教育まで』、『眼からウロコ!驚愕と共感の自閉症スペクトラム入門』などがあります。
子育てのノロイとは?
5つのノロイ
著者いわく、子育てには5つの「ノロイ」があるとしています。
順番に詳しく説明します。
1.「ちゃんと」のノロイ
「ちゃんと」という言葉は、しつけの場面でよく使われる大事な言葉です。
ですが、「できるのがよい」ということに縛られて、「ちゃんと」が過剰になりすぎると、ノロイに化け、こどもと親を追いつめていくことになります。
この本では、「ちゃんと」よりも「気持ちよさ」を優先すべきとされています。
「いま、ちゃんとしないこと」が、「未来永劫、ちゃんとしないこと」にはならないのです。逆に、いま、子どもの「好き」を認めることが、この先、子どもが納得する“ちゃんと”につながっていくことがしばしばあります。
2.「やればできる」のノロイ
「やればできる」という言葉は、励ます言葉として素敵な印象を残します。
ですが、「やってもできない」という場合に、「なんでできないの」となり、「ノロイ」に化けてしまいます。
この本では、こどもには約束してもできないことがある、を認め、努力は夢中に勝てないと自覚することが大切とされています。
幼稚園や学校から帰ってきたお家では、「やってもできないこともある」という寛容さと、「できる・できない」から距離を置いた夢中さを、リビングにそれとなく転がせておけるといいなぁ、と思います。
3.「カダイ」のノロイ
この本では、子育てに課題を持ち込むことにざわざわを覚えるとされています。
やればできるノロイに取りつかれ、できるできないという物差しでみてしまったり、子供をコントロールできると錯覚してしまったりするからです。
そのため、課題とは違うものさし(安心感と充実感)を家庭に置き、課題から上手に距離をとることをで「ノロイ」は解かれるとされています。
「カダイ」解決が順調にいっているうちは良いかもしれません。しかし、遅かれ早かれ、そううまくコントロールできないときがきます。そのとき、親は、「なぜ、うまくいかないの?」と自分をノロい、同時に、子どもへの”あたり”が強くなります。
4.「コトバ」のノロイ
子どもは素直で、自分の気持ちをまっすぐに言葉にできると一般的に思われています。
ですが、発達心理学からみれば、こどもはそう簡単に自分の気持ちを言葉にできるわけではないようです。
子どもの言葉をそのまま受け取るのではなく、その言葉の裏にある気持ちを見ようとすることが大事です。もっとも、言葉にならない言葉を一緒に探っていくのは、簡単ではありません。地道な取り組みです。
一緒に言葉にならない言葉を探してくれる大人がいて初めて、ノロいが解けて、子どもは言葉を我がものにしていくとされています。
5.「休みに価値なし」のノロイ
学校などでは、休み時間でも行事の準備などで休めない雰囲気があり、忙しい時間をこどもは過ごしています。
ですが、休み時間に様々なことをさせるのは、結果的にこどもを追い込んでしまう状況になっていると筆者は指摘しています。
価値を問われない時間の中で、こどもは安心して遊ぶことができ、その余白で創造性が発露するとされています。
家庭では、いまこそ、子どもの「何もしなくてもよい」という休む時間を大事にしてあげたいものです。
「ノロイ」はどこからやってくる?
そもそも「ノロイ」はどこからやってくるのでしょうか。それについて説明します。
「ノロイ」は他者からの目線
「ノロイ」は、他者からの視線、つまり常識を、自分の子育ての価値基準にしてしまうことから起こります。
他者からの視線は、様々な媒体から親のまわりに漂うので厄介です。
必要以上に自分の子育てネガティブに捉えないように、自分は「意外と気にされてない」と悟り、まずは「○○であるべき」という常識を疑うことから始めてみましょう。
「ノロイ」の発動条件
著者の赤木氏は、「子育てのノロイ」は、以下の3つを満たすときに発動すると定義しています。
1.子育てにおいて「正しい」「そうすべき」となっている常識的な規範 2.しかし、その規範は実は根拠があいまい。世間の願望やおしつけ 3.にもかかわらず、その規範を「正しい」ものととらえてしまい、親も子も縛られる
「ノロイ」のほぐしかた
さいごに、ノロイの4つのほどきかたを解説していきます。
4つのほどき方
1.いまの社会のおかしさを知る
ノロイの発生源は、親やこどもにあるのではなく、日本社会にあるのだということを認識すること。
2.子育てに期待しすぎない
子育ては万能ではなく、子どもを変えることはできないと自覚すること。子育て環境よりも遺伝的な影響の方が大きいというデータもあるそうです。
3.子育ての役割は安楽さにある
家庭では、こどもが「できる」場ではなくて、安心を与えて、「いる」場を提供すること。
4.豊かな世界と出会わせる
普段味わえない世界や人と出会うと、子どもはそれを機に自由な発想を手に入れるので、異なる新たなモノサシを持たせること。
まとめ
安楽さのすごさ
以上のように、この本は、こどもを上手に育てるためのものではなく、子育ての「ノロイをほぐす」ために徹底した本です。
ノロイをほぐす育児の基本は、安心感と脱力感、そして楽しさ、つまり「安楽さ」だと繰り返し強調しています。
私は、安楽さという発想に天地がひっくり返った印象を受けましたが、親のもつ子育ての思い込み(ノロイ)が安楽さを失わせているのだと気づき、育児へのストレスが圧倒的に減っていきました。
正解はない
子育てに正解はありません。
正解はこうだ!と示されたら、子育ての「ノロイ」がまた始まるでしょう。
子育ての「ノロイ」がほぐされたい方は、この本を実際に読んでみてもらえたら幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!
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